絵本に使う挿絵をAIで作るには、画像生成AIを活用するのがとても便利です。 特に「DALL·E(ダリ)」や「Bing Image Creator」、「Midjourney」などのツールは、テキスト(プロンプト)を入力するだけで、オリジナルのイラストを自動的に生成してくれます。 この章では、DALL·Eを中心に、実際の使い方と生成例を詳しくご紹介します。
画像生成AIは、「どんな絵を描いてほしいか」を文章で伝えると、その内容をもとにイラストを作ります。 たとえば、以下のようなプロンプトを入力します:
ここでのポイントは、絵の内容・スタイル・色合い・雰囲気などを具体的に記述することです。 「かわいい」「絵本風」「やさしいタッチ」「水彩風」などの表現を入れると、絵本にぴったりなイラストが生成されやすくなります。
画像が生成されたら、気に入ったものを選んでダウンロードします。 その画像は、絵本の挿絵としてCanvaなどに貼り付けて使用することができます。 また、画像サイズ(例:1080×720px)を指定することで、Kindle絵本のレイアウトにも適した形で出力可能です。
例として、第2回で作成したストーリーに合わせた挿絵を生成してみましょう。
このように、ストーリーにぴったりなシーンを「1ページ1絵」で作っていくと、統一感のある絵本を作ることができます。 キャラクターの外見を毎回同じようにするには、「前回と同じロボットキャラクター」「赤い服を着た女の子」などの記述を毎回入れるとよいでしょう。
画像生成AIを活用することで、絵が描けない人でも、自分だけのオリジナル絵本を簡単に形にすることができます。 次回は、こうして作った挿絵とストーリーを組み合わせて、ページデザインやレイアウトを整える方法をご紹介します。
画像生成AIを活用して理想的な“かわいい挿絵”を作るには、どんなプロンプト(指示文)を入力するかが非常に重要です。 同じテーマでも、プロンプトの工夫ひとつで、出力される絵のテイストやクオリティが大きく変わります。 このセクションでは、絵本にぴったりな「かわいくて親しみやすいイラスト」を作るためのプロンプトの書き方のコツをご紹介します。
「かわいい」と一言で言っても、AIには伝わりづらいことがあります。 そこで、以下のような具体的な言葉を組み合わせて表現しましょう。
これらのキーワードを日本語でも英語でも加えてあげることで、AIが絵本に適した挿絵を描きやすくなります。
抽象的な言葉ではなく、絵にしてほしい具体的な場面や登場人物の様子を詳細に伝えることが大切です。 たとえば以下のように書きます。
このように「誰が、どこで、何をしているか」「時間帯や雰囲気」まで含めて書くことで、より目的に合った挿絵が得られます。
絵本では同じキャラクターが何度も登場します。 AIで挿絵を複数生成する際は、キャラクターの特徴を毎回プロンプトに入れましょう。
絵本としてページに収めるためには、画像サイズも重要です。 プロンプトに「画像サイズ 1080×720px」「中央構図」などと加えて、ページデザインと合わせやすくしましょう。
このように、細部に気を配ったプロンプトを書くことで、AIが描き出す挿絵のクオリティは大きく向上します。 かわいくて、世界観の統一された絵本をつくるために、プロンプトの工夫はとても大切なステップです。
絵本を完成させるうえで、文章に合わせた挿絵(イラスト)の存在は欠かせません。 特に子ども向けの絵本では、視覚から伝わる情報がとても大切です。 この章では、実際にストーリーの流れに沿って、ページごとの場面に応じた挿絵を画像生成AIで作成する方法を解説します。
まずは、絵本のストーリーをページ単位、または場面単位で整理します。1ページにつき1つの挿絵が基本の考え方です。
例:「うさぎのルルと子猫の物語」のシーン分割例
このように、1ページ=1シーンで整理することで、どんなイラストが必要かが明確になります。
各シーンごとに、画像生成AIに入力するプロンプト(指示文)を準備します。 主人公の外見、背景の雰囲気、時間帯、感情などを丁寧に書くのがポイントです。
例:③ 泣いている子猫を見つけるシーンのプロンプト
このように、キャラクターの色・感情・背景の自然描写を含めることで、より絵本らしいイラストが生成されます。
AIで生成された画像は、ダウンロードしてCanvaなどのデザインツールに貼り付けます。 文章と絵を見開きで配置することで、読みやすく温かみのある絵本になります。 同じキャラクターが何度も登場する場合は、毎回同じ特徴(服装・色・大きさなど)をプロンプトに含めることで、統一感を保てます。
画像生成AIを使えば、イラストが描けない人でも、自分だけの絵本にふさわしい挿絵をページごとに作ることができます。 次は、これらの挿絵とストーリーを合わせて、実際の絵本としてレイアウト・デザインする工程へと進みましょう。