🖼 Canvaでの基本的な操作とレイアウト構成
絵本を形にするうえで、ページレイアウトは非常に重要です。 生成したストーリーやイラストを「絵本らしく」配置するために、多くの方に選ばれているのがデザインツール「Canva(キャンバ)」です。 無料で利用でき、ドラッグ&ドロップで直感的に使えることから、初心者にも非常におすすめのツールです。
▶ Canvaの基本操作ステップ
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① アカウントを作成
Canva公式サイト(https://www.canva.com/)にアクセスし、Googleやメールアドレスで無料登録します。
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② デザインサイズを設定
「カスタムサイズ」から、絵本に合わせたページサイズを指定(例:1080×720px、A4、A5など)。
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③ 画像やイラストをアップロード
DALL·Eなどで生成した挿絵をアップロードして使用します。ファイル形式はJPGかPNGが推奨されます。
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④ テキストの挿入
左メニューから「テキスト」→「見出し」や「本文」を選び、絵本のストーリー文を入力します。
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⑤ ページを複製・追加
絵本の各ページごとに、デザインをコピーしたり新規追加して構成していきます。
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⑥ 完成後、PDFで書き出し
右上の「共有」ボタンから「PDF(印刷)」形式で保存。これがKindle出版などにも使える原稿になります。
▶ レイアウト構成の基本
絵本のページレイアウトには、いくつかの基本スタイルがあります。 読みやすさと視覚的な楽しさを両立させるため、以下の構成を意識しましょう。
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1ページ=1シーン:1つの絵と1つの文章で構成するのが基本です。
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イラスト+文章の分割配置:上半分に絵、下半分にテキストなどバランスを意識
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見開きデザイン:2ページで1つの大きな場面を構成することも効果的です
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フォントはやさしく読みやすいものを選ぶ(例:Rounded M+、Noto Sans JP)
▶ 色合いや世界観の統一
絵本全体に統一感を持たせるためには、ページごとのデザインのばらつきを避けることが大切です。
- 背景色は毎ページ共通のベージュやホワイトなど、やさしい色に
- フォントサイズ・行間・位置もテンプレート化して統一する
- 各ページにナンバーを入れるなど、読者の流れを意識した配置に
Canvaは、複雑なソフトのように操作を覚える必要はなく、誰でも「感覚」で使えるツールです。 一度テンプレートを作ってしまえば、どんどんページを増やしていくことができます。 絵本を完成させるための“表現の土台”として、Canvaの操作に慣れていきましょう。
🖼 画像と文章の配置バランスの取り方
絵本制作において、「挿絵(画像)」と「文章」の配置バランスは、読者の読みやすさや印象を大きく左右する大切なポイントです。 特に子ども向け絵本では、視覚的な情報が強く記憶に残るため、ページごとのレイアウトはしっかり工夫しましょう。 ここでは、初心者でも実践できる「画像と文章の配置のコツ」や注意点をわかりやすく解説します。
▶ 基本構成:1ページ or 見開き構成
絵本のページレイアウトには主に以下の2パターンがあります。
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1ページ構成:1ページに画像と文章を両方配置。読みやすくページ送りしやすい。
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見開き構成:2ページにまたがって1つの大きなイラスト+左右どちらかに文章を配置。
初心者にはまず「1ページ構成」がおすすめです。文章量が多すぎない場合や、ストーリーがテンポよく進む構成に向いています。
▶ バランスのよい配置パターン例
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パターン①:上に画像・下に文章
→ 読者の視線が自然に下へ流れる構成。画面をフルに使えるのでインパクトも出やすい。
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パターン②:左に画像・右に文章
→ 見開きの右ページに文章を配置することで、絵の印象が残ったまま文章を読む流れに。
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パターン③:画像の中に吹き出しや文字をのせる
→ セリフや会話形式の場合に有効。ただし、読みやすさを保つために文字の背景色や余白を工夫。
▶ 読みやすくするためのデザインの工夫
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文字数を減らす:1ページあたり50〜100文字程度が理想。短くリズミカルに。
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余白を活かす:画像や文字の周りに余白(マージン)をしっかり取ると、見やすくなります。
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フォント選び:「Rounded M+」「Noto Sans JP」など、読みやすく親しみやすい書体を使いましょう。
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色のコントラスト:背景と文字の色が近すぎると読みにくくなるため、白背景に黒・紺など濃い文字色がおすすめ。
▶ Canvaでの具体的な配置操作
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①「画像」をドラッグ&ドロップで配置し、サイズを調整
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②「テキスト」ボックスを追加し、下部または横に配置
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③ 行間・文字サイズ・余白を調整して、読みやすさを確保
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④ 必要に応じて「図形」や「背景色」を追加して、文字を目立たせる
「絵と文章の関係性」は、絵本において読者との“対話”のようなものです。 絵が語る情報と、文章が補う情報がうまく噛み合っていると、子どもたちは自然と物語に引き込まれていきます。 読者にとって“ストレスのない読みやすい配置”を意識して、ページをデザインしていきましょう。
📘 ページを通して読みやすい絵本に仕上げよう
絵本は、ただ文章と挿絵を並べるだけではなく、全ページを通じた「読みやすさ」と「一貫性」がとても大切です。 読者(特に子ども)が自然に物語の世界へ入り込み、最後まで心地よく読み進められるように、ページ全体の設計を工夫しましょう。 ここでは、絵本全体を通じて「読まれる構成」にするためのポイントをご紹介します。
▶ 絵本全体の流れを設計しよう
ストーリーの流れとページ構成がチグハグにならないよう、以下のような構成を意識します。
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表紙:タイトル+キャラクターのイメージ(絵本の顔)
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中表紙・はじめのページ:登場人物・舞台を紹介
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本文ページ:ストーリーに沿って1ページ1エピソード
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クライマックス:感動や発見、問題の解決
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おちついた結末:読後感がよく、安心できる締めくくり
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奥付(あとがき):作者情報やメッセージ、制作日など
これに沿ってページを配置すれば、読者が自然に物語の世界へと引き込まれていきます。
▶ デザインの一貫性を保つ工夫
ページごとに雰囲気やトーンがバラバラにならないよう、以下の点を統一しましょう。
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背景色やパターン:全ページで統一感のあるやさしい色(例:白、クリーム色など)
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フォント:1〜2種類に絞ることで落ち着いた印象に
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文字サイズと行間:ページによって極端に違わないように注意
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キャラクターの描写:AIで挿絵を作る場合も、色・表情・ポーズを毎回同じ設定で
▶ ページ番号やナビゲーション要素を活用
子どもがひとりでも読み進めやすくなるように、ページ番号や簡単な区切りアイコンを入れると効果的です。 また、物語の展開に合わせて色合いを少しずつ変えていく(導入=明るい/冒険=少し暗め/再会=温かみある色など)と、読者の感情を自然に誘導することもできます。
▶ 読みやすさチェックのポイント
- ページごとの情報量は均等か?(どこかだけ文章が多すぎたり、少なすぎたりしていないか)
- 画像と文字のバランスが取れているか?
- 物語のテンポが途中で崩れていないか?
- 子どもが読み終えたあとに「もう一度読みたい!」と思える構成か?
読みやすく、一貫性があり、感情が動く構成を意識することで、「記憶に残る絵本」を作ることができます。 表紙から奥付まで、すべてのページが「物語の一部」となるように、ひとつひとつ丁寧にデザインしていきましょう。