AI作曲ツール「Suno AI」で、より完成度の高い音楽を作りたいと思ったときに欠かせないのが、プロンプト設計の質です。プロンプトとは、AIに伝える「楽曲の指示書」のようなもの。
同じジャンルでも、プロンプトの表現次第で「チープな曲」にも「心に残る名曲」にも変化します。ここでは、音楽の構成や雰囲気を的確に伝えるためのプロンプト設計のコツを、実例付きで詳しく解説します。
AIは「どんな曲を、どんな順番で展開するか」をプロンプトから読み取って楽曲を生成します。そのため、曲の展開=構成を明示的に伝えることで、クオリティがグッと上がります。
Uplifting pop song with a gentle piano intro, a catchy chorus, and a powerful bridge
Nice pop music
(曖昧すぎて内容が伝わらない)
「イントロ → Aメロ → サビ → ブリッジ → アウトロ」など、物語のような流れを伝えると、ドラマチックで展開のある楽曲になりやすいです。
「明るい」「悲しい」などの一言で済ませず、その感情が生まれる場面や背景まで含めて表現すると、AIがより深い解釈をしてくれます。
A melancholic piano piece that feels like walking alone at dusk
(夕暮れ時にひとりで歩いているような哀愁のあるピアノ曲)
A joyful acoustic song for a sunny morning picnic
(晴れた朝のピクニックにぴったりな明るいアコースティック曲)
「誰が・いつ・どんな状況で聴く曲か?」を想像してプロンプトに反映させると、感情が伝わる作品になりやすいです。
使用したい楽器名や音の質感(音色)を指定するのも効果的です。たとえば、ピアノでも「soft piano」「dramatic grand piano」では印象が全く異なります。
With cello and ambient pads in the background
Warm, analog synth textures with soft reverb
特に「lo-fi」や「ambient」系の曲では、音の質感(warm / gritty / dreamy / clean など)の表現が、仕上がりに大きく影響します。
この3点を意識するだけで、AIが作る音楽の「完成度」は格段に向上します。最初は難しく感じるかもしれませんが、何度か生成しているうちに、自分だけの“ヒットプロンプト”が見つかるはずです。
次回は、生成結果をさらにブラッシュアップするための再生成や微調整のテクニックをご紹介します。お楽しみに!
Suno AIを使って音楽を生成したとき、「なんとなく物足りない…」「イメージとちょっと違う…」と感じることはよくあります。AIは便利ですが、最初から完璧な曲ができるとは限りません。そこで重要になるのが、再生成(リジェネレート)と微調整のスキルです。
このレッスンでは、AI音楽のクオリティを上げるための実践的なテクニックを、具体例とともに解説していきます。
Suno AIでは、同じプロンプトでも毎回違う曲が生成されます。つまり、1回きりで判断せず、何度も再生成して「ベストな仕上がり」を選ぶのが基本です。
「再生1回目:イントロは良いけど展開が単調」
「再生3回目:リズムはいいけど雰囲気が合わない」
といった感想を持ちながら聴き比べることで、自分の「理想の音楽像」が明確になってきます。
再生成しても納得のいく結果が出ない場合は、プロンプトの内容を少しだけ変えてみることが効果的です。「微調整」がAIの出力を一気に良くするカギになります。
dreamy
→ nostalgic
happy
→ uplifting
clean piano
→ soft, emotional piano with reverb
ambient music
→ ambient music with a calm intro and evolving textures
プロンプトを一から書き直すのではなく、一部の語句を変えるだけで大きな変化が得られます。少しずつ調整して、理想に近づけていきましょう。
気に入った要素がある曲を「ベース」にして、そこから派生させていく方法も効果的です。
こうすることで、イメージに沿ったバリエーションを複数展開でき、プロフェッショナルな曲集を構成することも可能になります。
AI音楽も「創作活動」です。思考錯誤しながら微調整を重ねることで、誰でもプロのような作品を作ることができるようになります。楽しみながら「自分だけの音」を探していきましょう!
次回は、ジャンルごとにおすすめのプロンプト例をご紹介します。ポップ・ローファイ・エレクトロなど、それぞれのスタイルに合った表現を学び、引き出しを広げていきましょう。
Suno AIでは、入力するプロンプト次第で、まったく異なるジャンルや雰囲気の曲を生成できます。ここでは特に人気の高い3つのジャンル—ポップ / ローファイ / エレクトロに焦点を当て、それぞれの特徴と、具体的なプロンプト例を紹介します。
ポップミュージックは、明るく、覚えやすく、感情を込めた展開が特徴です。歌メロ中心の構成や、リズミカルなビート、キャッチーなサビを意識したプロンプトが効果的です。
A bright and uplifting pop song with a catchy chorus and female vocals
Emotional pop ballad with soft piano intro and powerful bridge
Teen romance-themed pop with acoustic guitar and synth layers
ポイントは「感情 × 楽器 × 構成」の3つを意識すること。
例:「元気な雰囲気のアコースティックギターから始まり、感情的なサビで盛り上がる」など。
ローファイは、<strong「くつろぎ・集中・懐かしさ」といった空気感を大事にするジャンルです。ジャジーなコード進行やビニールノイズ、環境音などを加えることで、世界観がより豊かになります。
Lo-fi hip hop beat with vinyl crackle, jazzy chords, and soft drums
A chill lo-fi track for studying with ambient rain sounds
Melancholic lo-fi instrumental with nostalgic textures and a slow groove
ローファイでは「何に使うか(勉強・読書・夜の散歩など)」を明記すると、目的に合った雰囲気の楽曲になりやすいです。
エレクトロ系は、リズムの強さ・音の厚み・未来感・テンションの高さなどが特徴。ジャンルの細分化(EDM、Synthwave、Future Bassなど)を活用することで、より的確に指示できます。
Energetic EDM track for a festival crowd with powerful bass and build-up
Synthwave track with retro 80s vibes, analog synths and driving beat
Atmospheric electronic music with ambient textures and minimal percussion
「エネルギッシュに盛り上がる曲」だけでなく、「落ち着いたアンビエント系」「映画のサウンドトラック風」など、多様な演出に対応できるのが魅力です。
A lo-fi pop ballad with dreamy atmosphere and emotional female vocals
プロンプトは、“AIへの楽曲オーダー”です。ジャンルの特徴をしっかり理解し、的確な言葉を使うことで、AIでもプロ品質の音楽が手に入るようになります。まずはたくさん試して、あなたらしい「黄金プロンプト」を発見してみましょう!
次回は、SoundOnでの配信方法と、ジャンルに合ったプロモーション戦略について解説していきます。