第3回では、漫画制作において欠かせない「コマ(イラスト)」を、AIを使って効率的に作成する方法を学びます。
これまでイラスト作成は、絵のスキルや専用ソフトが必要でしたが、近年の画像生成AIの進化により、誰でも手軽に高品質な漫画風イラストを生成できるようになりました。
画像生成AIとは、テキストで指示(プロンプト)を入力することで、AIがその内容に基づいた画像を自動で生成してくれるツールです。代表的なものに「DALL·E」「Midjourney」「Stable Diffusion」などがあります。
たとえば「20代の日本人女性がパソコンの前で驚いているアニメ風イラスト」という指示を入力すると、その通りの画像をAIが数秒で作成してくれます。
1ページの中でコマが自然につながるように、「起承転結」の構成やキャラクターの動きの連続性を意識して画像を生成することが重要です。
例:
・1コマ目:悩んでいる女性(セリフ「どうすればいいの?」)
・2コマ目:AIと出会うシーン(セリフ「AIってすごい!」)
・3コマ目:制作風景(セリフ「楽しく描けた!」)
・4コマ目:出版後の笑顔(セリフ「出版できました!」)
という流れを想定しておくと、読者に伝わりやすい漫画になります。
まずは無料で試せるツールから始めるのがおすすめです。以下のツールは特に初心者に人気です。
画像生成AIを使えば、「絵が描けない」「時間がない」という悩みを一気に解決できます。次回は、生成した画像をどのように組み合わせて漫画として仕上げるかを学びます。
AIで漫画を作る際、単に画像を生成するだけでは、読者に伝わる「物語」にはなりません。
大切なのは、コマとコマのつながりや構成=「コマ割り」と「画像の流れ」を意識することです。
ここでは、読者の視線の動きに沿ってスムーズにストーリーが伝わるような、AI画像生成時のテクニックを紹介します。
コマ割りとは、1ページの中で場面や時間の流れを分かりやすく伝えるための構成方法です。
例えば、以下のようなバリエーションがあります。
コマを大きく取ることで重要なシーンを強調し、逆に細かく区切ることでテンポよく展開させる…といった工夫も有効です。
画像生成AIでは、1枚ずつ画像を作成するため、事前に「全体のストーリーフロー」を明確にしておくことが重要です。
下記は一例です:
それぞれのコマで、「どのキャラクターが」「どんな表情・動きで」「どんな背景にいるか」を明確にプロンプトに含めることで、一貫性のあるストーリーになります。
以下は、4コマ漫画を想定したプロンプトの例です。
漫画は基本的に「右上 → 左下」へと視線を流す日本語の読み順を前提に作られます。
コマ配置やキャラの視線、セリフの位置なども、視線誘導を意識することで読みやすさが大きく変わります。
AI画像生成は非常に便利なツールですが、「どんな順番で、どんな構図で伝えるか」という“設計”がなければ、読者に響く漫画にはなりません。
まずはラフなストーリーボード(ネーム)を紙やメモで書き起こし、それをもとに1枚ずつプロンプトを組み立てていきましょう。
漫画制作やコンテンツビジネスを始めるにあたって、画像作成は大きなハードルになりがちです。
しかし、近年のAI技術の進化により、絵のスキルがなくても、誰でも簡単に漫画風イラストを生成できるツールが登場しています。
しかも、多くのツールが「無料」または「低コスト」で利用できるため、初期費用を抑えて始められるのが魅力です。
まずは無料で使えるツール(Bing Image Creator、DALL·E、Canvaの無料版など)から始めて、使い勝手や生成精度を体感してみましょう。
特にBingやCanvaは、操作も簡単で日本語にも強く、初心者にとって入りやすいツールです。
画像生成AIは、これまでプロに頼まなければできなかった漫画イラストの制作を、誰でも・今すぐ・低コストで可能にしてくれるツールです。
あなたのアイデアやストーリーをビジュアルに落とし込み、魅力的な作品を作るために、ぜひこれらのツールを活用してみてください。