📘 AIに指示する「プロンプト」の基本ルール

 

 

 

ChatGPTを使って理想の絵本ストーリーを作るためには、「プロンプト(指示文)」の出し方がとても重要です。 AIは人間のように曖昧な意図をくみ取ることが苦手なため、明確で具体的な指示を出すことが、質の高いストーリーを得るためのコツです。

たとえば、「かわいいお話を書いて」ではなく、「5歳児向けで、うさぎのルルが森で迷子の子猫を助ける感動的なストーリーを書いてください」のように、 対象年齢・登場キャラクター・舞台・ジャンル・雰囲気をしっかり伝えることがポイントです。

 

 

 

▶ プロンプト作成の基本要素(5W1Hを意識)

  • Who(誰が):主人公や登場人物の設定(例:うさぎのルル、ロボットのココ)
  • When(いつ):時間の設定(例:ある春の日、夕方)
  • Where(どこで):物語の舞台(例:森の中、空の上)
  • What(何を):物語のテーマ・問題(例:友だちを助ける、宝物を探す)
  • Why(なぜ):行動の動機や目的(例:約束を守るため、困っているから)
  • How(どうやって):ストーリーの展開(例:冒険の中で出会いながら成長していく)

 

 

▶ プロンプトに入れると効果的な追加要素

  • 対象年齢(例:3歳児向け、5〜6歳向け)
  • 文章の長さ(例:300〜500文字程度)
  • 雰囲気・トーン(例:やさしくて温かい雰囲気、ワクワクする冒険)
  • 語尾の指定(例:やさしい口調で「〜だよ」「〜なんだ」など)

 

 

▶ 具体的なプロンプト例

例1:
「5歳向け。うさぎのルルが、迷子の子猫を探して森を冒険する感動的な絵本ストーリーを書いてください。やさしく温かい雰囲気で、最後はハッピーエンドにしてください。」

例2:
「4〜6歳向け。ロボットのココが、初めてのおつかいに挑戦するお話。途中でいろんな動物と出会いながら、成長していく様子を描いてください。親しみやすく、くすっと笑える内容にしてください。」

このように、ChatGPTに与える情報をしっかり整理して伝えることで、より理想に近い絵本ストーリーを得ることができます。 「プロンプトの精度=出力の質」と覚えておきましょう。

 

📘 子ども向け絵本のストーリー構成のコツ

 

 

 

子ども向けの絵本を作るうえで重要なのは、「わかりやすく」「共感できて」「心に残る」ストーリー構成です。 特に3〜6歳の子どもたちは、論理的な理解よりも「感情」や「視覚的な印象」に強く反応します。 そのため、大人向けの小説のような複雑な構成ではなく、シンプルで繰り返しのある展開が適しています。

 

 

 

▶ 起承転結をベースにした基本構成

  • 起(導入):主人公や舞台の紹介、日常の様子を描く
  • 承(展開):物語の中で何か問題が起こる、または冒険が始まる
  • 転(クライマックス):困難やピンチを乗り越える場面、感動的な展開
  • 結(まとめ):問題が解決し、成長や学びが描かれる。安心できる結末に

この4段階構成を意識することで、子どもにもわかりやすく、記憶に残るストーリーになります。

 

 

 

▶ 子どもが夢中になるストーリーの要素

  • 身近で共感しやすい主人公(動物、子ども、ロボットなど)
  • 「困った→頑張る→できた!」の成長ストーリー
  • 繰り返しのパターン(例:「どんどこ どんどこ〜」「また出てきた!」など)
  • リズムのよい言葉やオノマトペ(例:「ぴょんぴょん」「ころころ」)
  • 最後に安心できるハッピーエンド

 

 

▶ 絵本ならではの表現のポイント

  • 1ページに1つの行動またはセリフでテンポ良く進める
  • 絵と文章が連動していると理解しやすい(セリフだけでなく状況説明も)
  • 子どもが声に出して読みやすい文体(短く区切りがよい)
  • 感情の動きが伝わる描写(「ドキドキした」「うれしくなった」など)

子どもにとって絵本は「初めての物語体験」です。 その体験が楽しく、心に残るものであれば、絵本は「学び」と「感動」の入り口になります。 読み終わったあとに「もう1回読んで!」と言ってもらえるような構成を目指しましょう。

 

 

📘 ChatGPTでオリジナルストーリーを生成してみよう(実演)

 

 

 

実際にChatGPTを使って、子ども向け絵本のストーリーを作成してみましょう。 ストーリー生成の基本は、プロンプト(指示文)を工夫することです。 ここでは、具体的な手順と実例を用いながら、誰でも再現できる方法を丁寧に解説します。

 

 

 

▶ Step1:プロンプトを準備する

まずは、ChatGPTに入力するためのプロンプトを準備しましょう。以下のように、登場キャラクター・対象年齢・舞台・雰囲気・話の流れなどを明確に書くと、期待通りのストーリーが出力されやすくなります。

例:
「5歳児向け。優しいタッチで、うさぎのルルが森で迷子の子猫を探す冒険物語を書いてください。起承転結があり、最後は感動的なハッピーエンドにしてください。」

 

 

 

▶ Step2:ChatGPTに入力してストーリー生成

上記のプロンプトをChatGPTに入力してみましょう。数秒で、物語の流れに沿ったストーリーが自動生成されます。以下はその出力例です。

ある日、うさぎのルルは、森の中で泣いている声を聞きました。
「にゃーん…おかあさん、どこ…?」
そこには、迷子の子猫が一匹。

「だいじょうぶ? いっしょにおかあさんを探そうね!」
ルルは子猫の手を取り、森の中をいっしょに探し始めました。
道に迷ったり、大きなカエルに驚いたりしながらも、ルルは決してあきらめませんでした。

最後には、小さな丘の上で、子猫のおかあさんと再会!
「ありがとう、ルル!」「ルルお姉ちゃん、だいすき!」
ルルはあたたかい気持ちで胸がいっぱいになりました。

おしまい。

 

 

▶ Step3:修正・アレンジも自由自在

出力されたストーリーが少しイメージと違う場合もご安心ください。ChatGPTは再生成や部分的な修正にも柔軟に対応できます。 たとえば、「もっと短くして」「セリフを増やして」「3歳児向けにやさしい言葉にして」などと再度指示することで、内容を調整できます。

このように、プロンプトの工夫とやりとりを通じて、誰でもAIと一緒に絵本のストーリーを創り出すことができます。 文章に自信がない方でも、ChatGPTが伴走してくれることで、「自分だけの物語」が簡単に形になるのです。

次回は、こうして作成したストーリーに合わせて、画像生成AIを使って挿絵をつくる方法をご紹介します。